生名の秋祭り

「みんなで協力して行う、生名の秋祭り」

 生名小学校の横の坂を登った高台にあるのが、生名八幡神社(いきなはちまんじんじゃ)です。生名八幡神社がいつできたか、正確なことは分かっていませんが、村上水軍が活やくしていたころに、京都の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)から神様を勧請(かんじょう※1)したと言われています。1616年(元和2年)11月2日(江戸時代(えどじだい))に再建したということが一番古い記録として残っているので、それより前からあったと思われます。

 生名八幡神社では、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)と、その妻である神功皇后(じんぐうこうごう)、その息子の応神天皇(おうじんてんのう)をおまつりしています(※2)。また、他にも20柱(はしら※3)くらいの神様を祭っています。

 その神様たちに1年に1回、感謝の気持ちを表すために、毎年10月に祭りが行われています。祭りの日には、みこし、子どもみこし、だんじり、子どもだんじりの練り歩きが行われます。


(イラスト:まつりの様子)

 みこしは、大人がかつぐみこしと中学生がかつぐ子どもみこしがあります。大人のみこしは、大きく金色にかがやいています。子どもみこしは、大人のみこしよりも小さいです。大人は白色、中学生は黒色に水色で波模様(もよう)が描かれたはっぴを着ます。


(写真:みこし)


(写真:子どもみこし)

 だんじりには、屋根だんじりと布団だんじりの2種類があります。この他に、地区めぐりの時には、子どもだんんじりも登場します。小中学生の「乗り子」が乗り、たいこをかなでながら歌を唱え、たくさんの大人がそのだんじりをかつぎます。

 だんじりの歌には、「富士」や「しゃしゃげ」など、たくさんの種類があります。坂を上る時には、「やっとこせ」を歌い、お店の前では「しゃしゃげ」を歌ってだんじりを差し上げます。だんじりを差し上げるのは、一人でも力をぬいてしまうと落ちてしまう大仕事なので、みんなで声を合わせて差し上げます。とてもはく力があり、もり上がる場面です。


(写真:屋根だんじり(左)と布団だんじり(右)を差し上げているところ)


(写真:祭りのクライマックス)

 また、小学校6年生の女子は、みこさんになります。みこさんは、神様に舞(まい)をほうのうする役目があり、けがれなき女性がしなければならないと言われています。75年くらい前、先代の宮司さんが小学校6年生のときに、舞を舞ったことがきっかけに始まったそうです。みこさんは、かみをのばし、かみに「のし」というかみかざりを付け、すずやおうぎを持って「浦安の舞(うらやすのまい)」を舞い、じゃきをはらいます。夜殿祭(よどのさい※4)は神社で舞い、祭り当日は宮司さんといっしょに各家を一けんずつまわって舞います。


(写真:浦安の舞)

 みんなが協力して行っている生名の大切な文化をこれからも守っていきたいと思います。

※1 神様をいただくこと。
※2 仲哀天皇は、足仲彦命(たらしなかつひこのみこと)とも言われ、日本武尊(やまとたけるのみこと)の息子です。神功皇后は、気長足姫命(おきながたらしひめのみこと)、仲哀天皇は、誉田別命(ほんだわけのみこと)とも言われます。
※3 神様は、柱(はしら)と数えます。
※4 宵宮(よいみや)とも呼ばれ、1年に1度神様が神でんを出るぎ式。祭りの前夜祭。


(イラスト:まつりの様子)


(イラスト:巫女さん)

【取材協力】
吉田浩喜さん(生名八幡神社 8代目宮司)

【調査・文章・イラスト】
2017年度生名小学校5・6年生

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