岩城の造船業:共立工業

「船のえんとつを作る〜共立工業の仕事〜」

 岩城島(いわぎじま)には、造船に関する会社がいくつかあります。ここでは、船のえんとつ部分を作っている「共立工業」をしょうかいします。

 「共立工業」は、1962年(昭和37年)から「大西組」として造船所の下うけの仕事をしていました。1970年(昭和45年)に、今の小漕(おこぎ)地区に自社工場を建設し、会社となりました。現在は、外国人労働者をふくめ、約50名の人が工場で働いています。

 船のえんとつは、小さいもので高さ5メートル、重さ12トン、大きなものでは高さ15メートル、重さ65トンのものもあります。
(イラスト:船の作り方、部品と完成)

 船のえんとつ作りは、約50台の機械を使って行われます。まずCAD(※1)によって設計図を検とうして、「部材リスト」というものを作ります。次に「部材リスト」から部品や部材を加工します。CADで書いたデータをレーザー加工機に読みこませて一枚の板から部材をカッティングします。また、パイプなども機械を使って必要な長さに切っていきます。カッティングしたものを油圧プレスで折り曲げたり、ユニットワーカーで穴をあけたりして部品を作ります。出来上がった部品はプラモデルのように組み立てていきます。組み立てられたものはよう接でしっかりと留め、そうじをしたら仕上げのとそうを行います。お客さんの要望によって、色をぬる場合とぬらない場合があり、完成まで早くて2~3週間かかります。

 出来上がったえんとつは、造船所にのう品されます。海から天じょうクレーンを使って、バージ(※2)に積みこむときは、とても達成感があり、むすめをよめにやるような気持ちになるそうです。

 現在の船づくりは、すべての工程を同じ会社で行うことは少なく、部品やパーツごとに別々の会社で行われることが多いです。たくさんの人がかかわって、一そうの船ができています。船を見た時には、どんな人たちが作っているのかを考えてみてください。

【取材協力】
共立工業有限会社

【調査・文章・イラスト】
2017年度岩城小学校6年生

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