魚島村漁業協同組合

 魚島村漁業協同組合(以下、魚島村漁協)は、昭和24年、漁師さんのお手伝いをして、地域をより良くするために作られました。
(写真:魚島村漁協入り口)

 魚島村漁協では、主に3つの仕事をしています。

 1つ目は、漁師さんの代わりに魚を売ることです。高く買ってくれるところを探したり、買ってくれた魚を無事に届けたりして、漁師さんが魚をとることに集中できるようにしています。

 2つ目は、漁師さんが使う船の燃料や道具の仕入れをしたり、島の人たちの生活に必要なものを売ったりすることです。魚島村漁協の事務所の中には、「魚島商店」という島でたった一つの商店があります。食べ物や雑貨などを買うことができます。特に、チョコレートとアイスクリームが人気だそうです。また、ガソリン、灯油、プロパンガスなどの販売(はんばい)も行っています。

 3つ目は、漁業に必要な許可を取るために、書類を作ったり、手続きをしたりすることです。また、保険の仕事もしています。
(写真:魚島商店)

 魚島には、現在約20けんの漁師さんがいます。春はマダイ、夏はタコ、冬はデベラ・ワタリガニ・エビがとれます。魚島は、燧灘(ひうちなだ)の真ん中にあり、エサとなる小魚やプランクトンがたくさんいるので、魚がよく育つことができます。また、潮(しお)の流れが速いので、身の引きしまったおいしい魚が育つそうです。

 魚島でとれた魚の多くは、「くら寿司」さんに売られ、おすしやおさしみに使われています。タコは、たこめしのもとやたこコロッケに加工されて、色々なお店で売られています。

 また、魚島村漁協では、稚魚(ちぎょ)の放流も行っています。マダイ、ヒラメ、キジハタ(アコウ)を年1回ずつ放流しています。なぜ稚魚を放流するかというと、人間が魚をとる量が、魚が自然に増える量より多いので、何もしないと魚が減ってしまうからです。例えば、マダイは、私たちが食べる大きさになるまで2年かかって成長しますが、卵から生まれてその大きさになれるのは100ぴきのうちの1ぴきもいないそうです。魚島小中学校の子どもたちも、放流活動に参加しています。

 魚島村漁協では、現在2名の職員の方がいらっしゃいます。仕事がたくさんあるので、人手不足で大変だそうです。しかし、魚を売りに行くときに、色々な人に会って、色々なお話ができることがうれしいそうです。また、おいしい魚が食べられることもうれしいことの一つだそうです。

【取材協力】

魚島村漁業協同組合 塩見 尚徳(しおみ・なおのり)さん

【調査・文章・写真】
2019年度魚島小学校4年生

関連記事