江ノ島のりゅうぐうじょう伝説

 魚島の南東に、江ノ島(えのしま)という無人島があります。江ノ島には、「りゅうぐうじょうの入り口」と呼ばれているどうくつへの入り口があります。そこは、石灰岩(せっかいがん)でできているため、白色をしています。入り口は小さく、潮(しお)の満ち干きや風のえいきょうで入れないことも多いそうです。他の場所とはちがう、不思議な感じがする場所です。

 全国には、うらしま太ろうについてのたくさんの説があります。その一つが、香川県の三豊市(みとよし)に住んでいたという説です。三豊市には、うらしま太ろうのお墓といわれている場所もあるそうです。

 もし、うらしま太ろうが、三豊市からカメに乗ってりゅうぐうじょうに行ったとすると・・・りゅうぐうじょうは、江ノ島だったかもしれません。なぜかいうと、三豊市から瀬戸内海をまっすぐ西に行った先にあるのが、江ノ島だからです。そうだったらいいなと思って、魚島村漁協の方や役場の方が、学者の方にも来てもらって調査をしたそうですが、残念ながら、その証拠(しょうこ)はなかったそうです。

 どうくつの中は、子どもが立てるくらいの高さがあり、10人くらいは入ることができる広さだそうです。人工的に岩をけずったあとなどがあり、昔はおいのりの場所として使われていたかもしれないとも考えられるそうですが、くわしいことは分かっていません。

 ちなみに、魚島にある保健福祉(ふくし)センターの名前は、「龍宮苑(りゅうぐうえん)」といいます。龍宮苑は、平成11年に作られました。お年寄りが、りゅうぐうじょうのように楽しく過ごせるようにとの願いをこめて、名付けたそうです。

 江ノ島がりゅうぐうじょうの入り口だったか証拠はありませんが、そうだったらいいなと思います。

【取材協力】
魚島村漁業協同組合 塩見 尚徳(しおみ・なおのり)さん

【調査・文章・イラスト】
2019年度魚島小学校4年生

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