エンコにまつわる民話

 エンコとは、いわゆる、カッパのことです。弓削(ゆげ)の文化や風習についてまとめた『弓削民俗誌(ゆげみんぞくし)』にはこのように書かれています。

 「弓削は、島のわりに高い山がせまっている。そのせいか、海だけでなく、山に対するおそれやあこがれの表れた話が多い。子どもは遊び場として、一日を海、山で過ごしていたため、親は『エンコ』や『タヌキ』の話を持ち出し、子どもに言い聞かせた。教育のための言い伝えがおもしろおかしく作られて、民話として多く残っている。」(一部、平仮名に変更)

 そんなお話の一つ、弓削島・岳の下地区に伝わる民話をマンガで表現しました。

子供「今日は海で泳ぐぞ~」

大人「だめだめ、エンコに連れて行かれるかもしれないから、絶対だめ、だめだめ~」

子供「ちぇ~」

<説明>
 昔、旧れきの7月7日の七夕様の日は、海で泳いでいると、「エンコ(カッパ)」が引きに来ると言われていました。それで次の日に、七夕かざりをおきに流しに行っていました。

 また、昔は、夜になると、話好きのおじさんが来て、おそろしい話をよくしてくれたそうです。そのお話の一つです。

おじさん「よし、今日は魚をつるぞ。よっこいしょ、よっこいしょ。なに、ふねが動かんぞ。どういうことじゃ。」

カッパ「ケケケケ、ざまあみろ~」

<説明>
 夜、つりに行って、真っ暗な海を伝馬船(てんません※1)で進んでいると、急にこいでもこいでもふねが進まなくなって、どうしたのだろうと思い、ふねのはしを見てみると、「エンコ」がしがみついて進めなくしていたのです。

 上島町には、他にもエンコにまつわる民話がたくさんあります。調べてみてください。

※1 伝馬船(てんません):木でできた小型の船

【参考文献】
弓削町『弓削民俗誌』1998年(平成10年)

【調査・文章・イラスト】
2017年度弓削小学校6年生

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