伊勢山(まんじゅう山)

■伊勢山がまんじゅう山とよばれる理由
 伊勢(いせ)山は、弓削小学校の裏にある標高の56.5メートルの山です。伊勢山は、「まんじゅう山」と呼ばれています。なぜまんじゅう山と呼ばれているのかというと、少しはなれて見るとまんじゅうのような形をしているからです。

■まんじゅう山のアスレチック
 まんじゅう山には、アスレチック・トリムコースがあります。1977(昭和52)年に完成しました。当時の弓削小学校の保護者のみなさんや先生方の手作りです。自然を生かして、コースが作られています。最初に作った保護者の方は、「子どもたちが元気にたくましく育ってほしい」という思いをこめて、このアスレチック・トリムコースを作ったそうです。
(図:トリムコース地図)

 コースの中にあるアスレチックしせつは、現在では(わんぱく砦(とりで)をのぞいて)13個もあります。弓削小学校の6年生にアンケートを取ったところ、その13個の中でもとくに人気のあるアスレチックは、1位が「ターザンロープ」、2位が山頂に大きな古いタイヤを運びこんで積み上げて作った「タイヤの塔(とう)」、3位が「かやのジャンプ台」でした。

(写真:ターザンロープ)
(写真:タイヤの塔)
(写真:かやのジャンプ台)

■自然を生かしたアスレチック
 まんじゅう山にあるアスレチックについて、弓削小学校の本山校長先生にお話を聞きました。どんぐり広場は、バベ(ウバメガシ)の群生(ぐんせい)の中にあります。たくさんあるどんぐりの種類の中でも、どんぐり広場にあるのはバベの木のどんぐりなので、やや小さめの実がなります。枝で松ぼっくりを打つゴルフや、すべり台遊びもできて楽しい場所です。波の音や潮風(しおかぜ)、木々の香りがしてとても落ち着けます。

 かやのジャンプ台は、高さのちがうものが2つあり選べるようになっています。ふわりとした着地の感覚を楽しめるようにかやの他に草かりでとった草も積んでいます。かやの回廊(かいろう)はトンネルをぐんぐん進んでいくワクワク感を楽しめるよう考えて作られているそうです。なぜ、かやを使ったアスレチックを作ったのかというと、昔はかやで秘密基地やトンネルを作って遊んだので、今の子どもたちにも楽しんでもらいたいと考えたからだそうです。 

 まんじゅう山のアスレチックがそこにある植物を使って作られているのは、自然を生かし、自然と親しむという考えを大切にしているからだと、校長先生は教えてくださいました。

■せん定や草かり
 まんじゅう山のせん定や草かりの作業は定期的に行われています。時間がたくさんある、夏休みや冬休みにすることが多いそうです。夏は特に蚊(か)や蜂(はち)などの虫が多いので気をつけて行わなければいけません。また、アスレチックを使う人がけがをしないように、しせつの中でこわれたところやあぶないところに気がつくと、すぐに直してくださっています。

 ぼくは、まんじゅう山トリムコースが今から 43年前に作られたということを知りすごいなと思いました。そして、弓削小学校の子どもたちの健康のために大人の方たちがこんなすてきなアスレチック・トリムコースを作ってくださったことをとてもうれしく感じ、これからも大切に使っていかなければいけないなと思いました。

【取材協力】
上島町立弓削小学校 校長
本山 卓嗣(もとやま・たくじ)先生

【調査・文章・写真】
2020年度弓削小学校6年生

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