観音山

■観音山とは
 観音山(かんのんやま)は、佐島の中心から北東に進んだところにあります。1945(昭和20)年ごろ整備されました。山を整備した理由は、みんなで集まって楽しめる場所を作るためだそうです。
(写真:観音山の頂上)

■観音山の仏像や石ひ
 観音山の頂上に行くまでに六観音(ろくかんのん)の一つである、馬頭観音(ばとうかんのん)があります。馬頭観音は畜生道(ちくしょうどう)を守る観音様です。その他、島四国の札所(ふだしょ)や番外札所があります。
(写真:馬頭観音)

 頂上には、観音堂というお堂があります。これは益田竹一(ますだ・たけいち)さんという方が作ったものだそうです。その中には三十三観音の中の三十観音像と、はすの花に乗った聖観音(しょうかんのん)像が二観音あります。観音像は、各地区や家庭にあったものを、お世話できなくなったので、こつこつ預かってきたものです。お堂は旧暦18日にお供えして掃除します。
(写真:観音堂)
(写真:三十観音像)

 他にも頂上には、観音山とほられた石ひがあります。この石ひは、益田竹一さんの孫である山本琢也(やまもと・たくや)さんが作ったものです。整備した頂上の土の中から出た石で作られたそうです。
(写真:石ひ)

 さらに、真ん中にひとつ立った石を支るように、別の4つの石がまわりに横たわっている、不思議な形の石もあります。これは約80年前に亡くなった、神主さんをされていた方のお墓です。僕は、お墓だと聞いて、とても驚きました。
(写真:石のお墓の写真)

■観音山の桜やもみじ
 観音山には、桜やもみじの木があります。それは益田竹一さんや地域の方が植えたものです。桜は、はじめは竹一さんが4本植えて、平成11年には地域の方が15本植えました。今は6本になっています。春は桜で花見、秋はもみじの紅葉と、2つの季節が楽しめます。
(写真:桜の木)
(写真:もみじの木)

 以前は、1月3日に手作りたこあげ大会が行われていました(※弓削町広報 1981年1月号けいさい)。このイベントはいつごろ始まり、いつごろなくなったかが分かりませんが、子どもたちがたくさん集まっていたそうです。また、春には、観音堂に集まって、みんなで歌ったり花がさをつけておどったりしたそうです。

■観音山の保全活動 
 観音山の頂上はとてもきれいです。それは草刈りをしたり、木の枝をせんていしたりなど、山をきれいにしている人がいるからです。始めは、竹一さんがひとりで行っていました。その後、佐島に住む人たちが集まってできたボランティアの会「あほうどり」グループが行っていました。「あほうどり」グループは多い時で15人以上いたそうです。今は取材に協力してくださった益田さんご夫婦が草を刈って、木の根元にそえて、肥料にしているそうです。
 
 ぼくは観音山のことを知り、これからももっと観音山に行こうと思うようになりました。みなさんもぜひ観音山に来てください。

【取材協力】
益田 康成(ますだ・やすなり)さん(1942年生まれ、佐島出身)
益田 雪子(ますだ・ゆきこ)さん(1945年生まれ、高知県出身)
益田 長幸(ますだ・ながゆき)さん(1949年生まれ、佐島出身)

【参考文献】
弓削町役場『広報弓削町』1981年2月号

【調査・文章・写真】
2020年度弓削小学校6年生

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