岩城の秋祭り(昔と今のちがい①)
岩城の祭りは、五穀豊穣(ごこくほうじょう:作物がよく育つこと)や子孫繁栄(しそんはんえい:子どもや孫がたくさん生まれること)をいのる、岩城の秋の伝統行事です。だんじりをかついだり、みこしを上げたりして、岩城がすごく盛り上がる日です。
岩城の祭りの昔と今のちがいについて、西地区のことを中心に、西本桂将さん(49歳)に聞きました。
昔は、祭りをする日にちが決まっていて、10月15日にしていたそうです。今は、次の日が休みの日に行っています。
岩城の秋祭りでは、東地区と西地区からそれぞれだんじりが出ます。だんじりが通るルートは、昔も今も基本的に同じだそうです。昔、西のだんじりに乗っていたのは、西と新地(しんち)に住んでいる小学5年生の男子だけだったそうです。今は、西部(にしべ)に住んでいる子や他の学年の男子も乗っています。
乗り子は、化粧(けしょう)をしてだんじりに乗ります。西は男化粧をして、東は女化粧をします。では、なぜ西と東でわかれているのでしょうか。それは、祭りの願いの一つに、子孫繁栄があるからです。男性と女性が出会い、子どもが生まれて命がつながっていくことを表現しているのだそうです。化粧をしてくれるのは、西本さんが子どものころと今では、別の方だそうです。化粧の仕方も、伝統として受けつがれているのです。
祭りは大昔からあるので、これまでにだんじりがこわれたこともあります。西本さんが知っていたのは、棒が折れるなど小さなかしょがこわれたことがあるということだけでした。
最後に、祭りで困っていることを聞くと、「人が減ってきて、だんじりがなかなか動かないこと」だとおしゃっていました。ぼくは、人が減って、この岩城の祭りを無くしたくないと思いました。ぼくもだんじりに乗ったことがあります。乗ったときは、すごく楽しい気持ちになりました。お世話になった人たちもたくさんいて、ぼくがこの人たちの気持ちを引きつがなくてはと思いました。自分が協力できることをしていきたいと思いました。
※年れいは2021年3月末のものです。
【取材協力】
西本 桂将(にしもと・けいしょう)さん(1972年生まれ、岩城島出身)
【調査・文章】
2020年度岩城小学校6年生