弓削の昔の暮らし:家具

■昔の家具「たんす」
 昔の弓削島のくらしは、今とはとてもちがいました。今では使われなくなった家具もあり、たんすにも色々な種類がありました。

 例えば、船だんすというものがあります。これは、江戸時代、瀬戸内海をわたって大阪、九州などへ向かう船に乗せられていたもので、昔の人は、お金や帳簿(ちょうぼ)、船往来手形(ふねおうらいてがた/船を行き来させるのに使う許可証のようなもの)、小道具など、貴重品を入れていました。船旅のとちゅうでこわれないように、金具などを使ってとてもがんじょうに作られています。大きさは、たて47.5cm、横39cm、高さ45cmほどです。当時は金具等を使っていたので帆船(はんせん)での高級家具の一つとして君臨していたそうです。
(写真:船だんす)

 よく見る形にU字型の金具がついていて、そこに棒を通して運ぶたんすもありました。
(写真:たんすにつけられたU字の金具)

■長持ち
 他に「長持ち」という家具もありました。ふたがついた大きな箱で、U字型の金具に棒(ぼう)を通して2人で運べるようになっています。大きさは、たて63cm、横176㎝、高さ67㎝あり、とても大きいです。昔の人はここに衣類を入れていたそうです。

(写真:長持ち)

【参考文献】
弓削町役場『弓削町誌』1986年(昭和61年)
弓削町役場『広報ゆげ』1973年(昭和48年)2月15日発行号
弓削町役場『弓削民俗誌』1998年(平成10年)

【取材協力】
上島町教育委員会 学芸員
有馬 啓介(ありま・けいすけ)さん
曽根 大地(そね・だいち)さん

【調査・文章・写真】
2021年度弓削小学校6年生

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