弓削商船高等専門学校

■弓削商船高等専門学校とは
 弓削島にある国立弓削商船高等専門学校(弓削商船)は、明治34年に創立した全国で5つしかない商船高等専門学校の内の1つです。現在の定員は、600人ほどです。県外からの学生も多く、寮(りょう)があります。学科は、船員を目指す商船学科、ものづくりについて学ぶ電子機械工学科、コンピューター技術とその応用を学ぶ情報工学科の3つがあります。また、商船祭や公開講座など、様々な行事もあります。

■各学科のとくちょう
1)商船学科
商船学科では、学校の練習船で勉強をしたり、航海に行ったりすることができます。船員になるための資格を取ることもできるそうです。

2)電子機械工学科
電子機械工学科では、もの作りに必要な技術・電気・機械・材料・エネルギーなどについてくわしく勉強します。専用の工場でものを切ったり、けずったりできるそうです。

3)情報工学科
 情報工学科では、最新技術のコンピューターを使って、もの作り・プログラミング・設計・情報処理などを学びます。ちなみに、コンピューターは120台あるそうです。最新のコンピューターを使って最新の勉強ができるそうです。

■たくさんの人に知ってもらうための工夫
 弓削商船にはたくさんの学生が通っています。他県から来ている人も多くいます。なぜこんなに弓削商船に通っている人が多いのでしょうか。情報工学科の田房友典(たぶさ・とものり)先生にお話をうかがいました。

 その理由のひとつに、ポスター・リーフレットなどで弓削商船を知ってもらうように努力していることがあるそうです。弓削商船では毎年ポスターが9,000枚、リーフレットが32,000枚印刷されます。リーフレットの方が手軽にわたせるので、ポスターより多く印刷するそうです。毎年配り、多くの人に弓削商船を知ってもらえるようがんばっているそうです。

■弓削商船の寮
 弓削商船には、寮(りょう)もあります。弓削商船には県外から入学する学生も多く、家が弓削商船のある弓削島から遠いところにある学生には、学校の近くに住む所が必要です。そこで、学生が快適な生活ができるように寮に住めるようにしたそうです。

 寮に住んでいる学生の人数は、女子が75人・男子が380人弱くらいだそうです(2021年4月現在)。また、女子棟(とう)が2021年度に新しくなりました。
 
■練習船「弓削丸」について
 弓削商船には、練習船「弓削丸」があります。商船科の学生は、この船で勉強をしたり、航海実習に出たりします。

 「弓削丸」の大きさは、縦40m、横8mです。一度に乗ることができる人数は100人で、寝室(しんしつ)があり一度に56人がとまることができます。長期間の航海実習などにそなえ、台所やトイレ、シャワーといった、船の中で生活できる設備があります。また、船の中に教室もあります。とても広いです。実習や研究をするための船なので、ふつうの船とちがう色々な設備があります。
(写真:弓削商船の練習船「弓削丸」)

 操縦(そうじゅう)席は、船の中にある教室の上にあります。操縦席からは、景色をよく見わたすことができます。また、遠くの物や向かってくる船も見ることができるように大きな望遠鏡があります。のぞいていてみると、とても遠くの物もハッキリと見えました。商船学科の人たちはこういうところで勉強をするんだな、と思いました。
(イラスト:弓削商船高専の制服)
(イラスト:弓削商船高専の校章)

■海の環境(かんきょう)を守るために
 海は、私たちにとって欠かせない命の源です。海のおかげでできることがたくさんあります。特に、島で暮らす私たちにとって海は身近なものです。今、そんな大切な海がよごれていっています。

 弓削商船では「私たちが、私たちの海、動物たちの海、みんなの海を守っていく」と考え、マイクロプラスチック(5mm以下のプラスチックごみ)を取りのぞく方法を研究しています。環境の改善にこうけんできる学校を目指しているそうです。

 今回弓削商船について調べて、初めて弓削商船に見学に行き、色々な教室や工場を案内してもらいました。これまで知らなかった弓削商船を知ることができて、弓削商船が様々な工夫をしていることがわかりました。これからも、弓削商船についてもっともっと調べていきたいし、弓削商船にもがんばってもらいたいです。

【取材協力】
国立弓削商船高等専門学校
※クリックすると、「弓削商船」のホームページが開きます。
情報工学科 田房 友典(たぶさ・とものり) 先生

【調査・文章・写真・イラスト】
2021年度弓削小学校6年生

関連記事