古民家ゲストハウス汐見の家

■汐見の家とは
 「汐見(しおみ)の家」は、佐島にある古民家ゲストハウスです。県外や外国のお客様も訪れます。オーナーは、西村暢子(にしむら・のぶこ)さんです。管理人は、富田桂子(とみた・けいこ)さんと工藤美絵(くどう・みえ)さんです。

 汐見の家の建物は、戦後まもなくに建てられたもので、築70年ほどだそうです。もともとは西村さんのひいおじいさんの家でしたが、長い間、空き家だったそうです。西村さんは始め、汐見の家を手ばなすことも考えていたそうです。しかし、汐見の家には、歴史とともに長い年月をかけて作られた古民家ならではのみりょくがあり、佐島の暮らしの結晶(けっしょう)といえるほど良いものだったので、2年半かけて色々な方々に協力してもらって改築し、2016年4月にオープンしたそうです。(写真:汐見の家外観)

■汐見の家の設備
 汐見の家の宿泊(しゅくはく)料金は、素どまり一泊4000円で、貸し切りは一泊3万円です(2020年末現在)。6畳(じょう)と3畳の和室が2間ずつあります。エアコンはありませんが、自然の風を感じることができます。建具には古いものが利用されていて、お客様に「とても美しい古民家だ、気持ちが落ち着き夜にはよくねむれる」と言われることもあるそうです。古民家には、実際に暮らした人々の記おくが刻まれていて、言葉にはできない深い温かさが感じられるそうです。

 水洗トイレの他に、バイオトイレもあります。バイオトイレは、人の排泄物(はいせつぶつ)を微生物(びせいぶつ)の力で分解、処理するトイレです。バイオトイレを作った理由は、災害などで水道が止まった時でも、できるだけ不自由なく暮らせるようにするためだそうです。

 また、インターネットを使うことが出来るので、オンラインミーティングをすることもできます。オンラインで仕事をしているお客様も、安心して過ごせます。
(写真:バイオトイレ)

■汐見の家のみりょく
 この他にも汐見の家には、たくさんのみりょくや工夫があります。

 1つ目は、五右衛門風呂(ごえもんぶろ)など、ふだん使わない道具を使えることです。五右衛門風呂では、まきを使ってお湯をわかします。お風呂場には、地域の方が作ってくれたという汐見の家のロゴマーク付きのふたやイスがありました。汐見の家が地域の方々から愛されていることが感じられます。
(写真:五右衛門風呂)

 2つ目は、食事です。汐見の家の食事は、地元の野菜や魚を使って作っているそうです。そして、お客様といっしょに作ったり食べたりすることもあるそうです。そのことを汐見の家では「シェアごはん」と呼んでいます。佐島の方々といっしょに食事をすることもあるそうです。

 3つ目のみりょくは、佐島の生活を体験できることです。汐見の家では工藤さん、富田さんたちといっしょに祭りに行ったり、佐島の方々と畑仕事をすることもできるそうです。

 4つ目のみりょくは、イベントです。汐見の家ではこれまでにピアノの演奏会や、落語の会が開かれました。汐見の家に泊まったお客様も佐島の方々もいっしょに観ます。汐見の家にあるピアノは、地域の方にいただいたものだそうです。
(写真:地域の方にいただいたピアノ)

■汐見の家と佐島、お客様とのつながり
 富田さんと工藤さんに佐島のいいところを聞きました。古くて良いものを大切に残していることや、人と人とのつながりがとても温かいところが佐島のいいところだとおっしゃいました。汐見の家を通して、佐島の暮らしや佐島の人々にふれた汐見の家のお客様は、ふるさとの家に帰って来たような気持ちになるところが良いと言うそうです。お盆や暮れに必ず来るお客さんもいて、富田さんと工藤さんは「おかえりなさい」と迎えるそうです。

 私は汐見の家を取材をして、汐見の家と佐島の方、お客様とがつながっていることが分かりました。

【取材協力】
古民家ゲストハウス「汐見の家」
※クリックすると、「汐見の家」のホームページが開きます。
西村 暢子(にしむら・のぶこ)さん
富田 桂子(とみた・けいこ)さん
工藤 美絵(くどう・みえ)さん
(写真:富田さん一家、工藤さん、オンラインで取材協力してくださった西村さん)

【調査・文章・写真】
2020年度弓削小学校6年生

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