京ノ小島の名前の由来


(写真:京ノ小島)

 京ノ小島は、弓削島(ゆげしま)・高濵八幡神社(たかはまはちまんじんじゃ)の北に浮かぶ小さな無人島です。ふだんは、海でへだてられていますが、大しおのかんちょう時には道ができ、わたることができます。

 現在は、「京ノ小島」と書きますが、昔は「経ノ小島」と書いたそうです。その名前には、四国八十八か所で有名な弘法大師にまつわるお話があります。

 ご修業中の弘法大師は、あるとき久司浦(くじうら)においでになりました。

 おきを見ると、大きな岩場が水面にぽっかりうかんでいました。大師は、これは修業の場に良い所だと思い、この岩にあがって、一心不乱においのりをされました。

 しおがだんだんと満ちてきても、集中していた大師は気がつかれず、太ももがぬれて海にしずみそうになるまで、修業を続けられたそうです。

 修業を終えて陸地にもどった大師が、手で地面を掘ると、きれいな水がこんこんとわき出ました。大師は、この水で体を清め、せんたくをしました。それから、海岸の小石を拾い集め、願文と経文(※1)を一字ずつ小石に書いて、近くの小島に埋められたそうです。それから、村人たちは大師をたたえて、この岩場を「願文ノ岩」(ガモガイワ、ガモガワ)、い戸を「弘法水」(こうぼうみず)、小島を「経ノ小島」と呼ぶようになりました。弘法水は小さない戸でしたが、どんな日照りでも不思議に水がなくなることはなく、美味しかったそうですが、残念なことに今はありません。

※1 願文(がんもん):仏様にいのりを伝える文章のこと。経文(きょうもん)とは、お経に書かれている文章のこと。

【参考文献】
弓削町役場「弓削町誌」1986年(昭和61年)

【調査・文章・イラスト】
2017年度弓削小学校6年生

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